1. ホーム
  2. セブ島通信

第37回 セブ無料歯科診断 [セブ島通信3月号]

第37回 セブ無料歯科診断 [セブ島通信3月号]

特定非営利活動法人神奈川海外ボランティア歯科医療団(KADVO;Kanagawa Alliance of Dental Volunteers Over Seas)の活動は1982年に数名の歯科医師がセブ島に渡り、現地の歯科医療の状況視察から始まり、1984年には正式に第1回セブフリーデンタルクリニックとして無料歯科診療活動を開始しました。

当初の診療内容は、抜歯が中心で、日本では考えられない様なケースまで抜歯していました。これは、診療機材、診療環境の問題もさることながら、患者さん自身の事情によります。すなわち、現地の方々の虫歯、歯周病が著しく進行しており、数日の診療では対処できないこと、経済的な問題、同国の歯科医療環境の不備等の問題で、我々の診療後に患者さんが継続して歯科医療を受けられないためで、痛むなら抜歯して欲しいというのが主な理由でありました。

その後、携行型の切削機材等を現地に持ち込むことで、ほとんどの虫歯については保存することが可能なり、多量に付着している歯垢・歯石除去も行うことができるようになりました。また、虫歯、歯周病に対する根本的な対応として予防・口腔衛生教育が必須と考え、活動開始10年目以降、小学校等において、歯科衛生士による紙芝居を用いた予防教育活動、歯ブラシを実際に用いてのブラッシング指導を行ってきました。

さらに、近年では歯科技工士さんの参加もあり、入れ歯を短期間で作成し、提供できるようになりました。

このフリーデンタルクリニックはKADVOが主体となり現地歯科医師会(セブ歯科医師会・CDS)、サウスウエスタン大学歯学部、現地協力者、ロータリークラブなどのご支援のもとに行われています。

また可能な年にはJICA(日本青年海外協力隊)の方々の協力も得ています。

治療内容は抜歯、歯石除去,虫歯の処置、また、状況によっては歯の根の治療・入れ歯作製を行います。診療は、現地歯科医師と日本人歯科医師、衛生士がペアを組み、交互に処置に当たります。

また、上記診療に加えて、第11回活動(1994年2月実地)より歯ブラシ指導を中心とした予防活動が加わりました。

歯科1

この予防活動は虫歯や歯周病の成り立ち、さらには一般的な口腔の機能や前歯・奥歯の役割について簡単に理解できるように、低学年の児童には紙芝居、高学年の児童には液晶プロジェクターで説明を行います。子供たちは、初めて見る内容と経験のため、とても楽しそうに話を聞いてくれます。現在は説明

とともに体験を通して学べるような形態をとっています。

因みに、第27回プロジェクト(2010年2月7日~11日実施、日本から49名参加)では宿泊先のあるセブ市内から車で約50分のところにあるスング小学校内で実地され、約1400名の同小学校児童を含めた地域住民の方々に診療を行いました。

治療内容は2日間で抜歯処置 725名 虫歯処置 285名 歯石除去 296名 義歯25ケース HJK4ケース 投薬のみ 2ケースでありました。

2008年に、これまでの功績が認められ、外務大臣表彰を授与されました。

これは長年にわたり継続された活動であることと、日本、フィリピンの歯科医療技術交流と友好親善に貢献したことが、表彰理由です。

また、近年、徐々に、我々の最終目標である、現地の「自立」が起きています。

現地歯科医師会、大学歯学部の歯科医師が、現地に常設してあるKADVOの診療機材を用いて、年間を通してフリーデンタルクリニックを行っています。

これからの課題としては、この活動をまずはセブ島全域に広め、最終的には、同国の歯科医療関係者の手で、フィリピン全土でフリークリニックが行われ、また、予防・口腔衛生教育が普及されることにより、虫歯や歯周病の発生が未然に防ぐことができればと考えています。

この37年間の歴史には今回の新型コロナウィルスによる規模の縮小。

過去には1986年アキノ政権樹立に至るまでのエドゥサ革命、また湾岸戦争における海外渡航自粛における延期。

2014年には出発当日の関東地方大雪における出発の大幅な遅延など。

中止を余儀なくされる状況のなか、現地のパートナーシップである歯科医師会・たくさんの友人の協力により1回の中止もなく37回を終わる事が出来ました。

この37年間、多くの変化がありました。日本ではバブル経済が始まり、またその崩壊。私どもの歯科医療を取り巻く環境の変化。また、セブ島の存在するフィリピンでは、政権の交代、アジア経済の変化による、部分的とはいえ豊かになったフィリピン経済。しかし、我々が認識する変化について両国に共通していえることは、ボランティア活動に対する意識の高まりではないでしょう

か。日本では東日本大震災をはじめ、多くの災害を経験しましたが、1995年の阪神淡路大震災を期に、この20数年で「ボランティア活動」への取り組みが官民併せて大きく変化したと思います。

また、フィリピンでは、カソリックの国としてもともと奉仕の素地はありましたが、私どもと活動を共にする現地コーディネーターや歯科医師の方々を見ていると、その取り組み方が変化し、教義・義務等からではなく、各人が楽しみながら責任を持って参加されている様に思います。

その様な中で、このセブフリーデンタルクリニックも37周年を期に、ニーズに則した良い意味での変化が必要であると考えています。

しかしこれからも一つだけ変わらないものがあります。

それは、この37年間に築き上げられた本プロジェクトに関わる両国関係者の「友情」であります。

このボランティア活動が必要とされない世界がおとずれることが理想であり、いつかはその様な時代も来ると思います。しかし、例え活動が無くなっても、友情は永遠に続くと考えています。

我々の活動が両国の友好と親善の一助になればと深く思う次第です。

2020  KADVO& PDA CEBU  Joint

Free dental clinic

例年、会場となる小学校の選定から始まる準備も今回、間際になってコロナウィルスの影響でストップし、36年続いたフリークリニックもあやわ中止になるところでした。行政から小学校で行われる大人数のイベントに待ったがかかったようでしたが、セブのドクターの方々、そして日頃よりフリークリニックをご支援頂いている方々のご努力のお陰で今回は近隣の教会内にて遂行出来ました。

私達KADVOも参加者のキャンセルもある中で若手の初参加もあり、皆で協力し合って無事に帰国までに至りました。今回のコロナウィルスによる障害は我々KADVOとフリークリニックを司る現地の方々との絆をより深いものになれた気がします。

また、最後にこのフリークリニックを立ち上げ当初からご支援頂きましたプロタシオ氏が昨年、天国へ召されました。謹んでここに哀悼の意を表します。

日程: 2020年2月9日~13日

場所: マボロ教会 敷地内施設

患者総数: 964名

充填: 257

抜歯: 117

歯周: 366

義歯: 104

予防: 120  (フッ素塗布75含む)

特定非営利活動法人

神奈川海外ボランティア歯科医療団

理事長 & 第37回セブプロジェクト

実行委員長 近藤 稔

————-

KADVO – PDA Cebu Chapter 

2020 Free Dental Clinic at 

Abutanan sa Kaluoy (Oasis of Mercy) Mabolo Church 

Over all (president, cds project director, labitan, gesalem) – 4

physical arrangment – 3

Registration – 6

History taking – 6

Oral Exam – 4 (2 dentist, ms kinue, mr danny ong)

Oral prophylaxis – 20

Restoration – 19

Surgery – 15

Prosthetic – 6

Laboratory Technicians – 10

Pharmacy – 2

Dental Education – 2

Dental students – 9

Technicals – 8

Food dept – 20

Kenji’s personal – 7

Shoji’s personel – 4

Translators -3

Major Sponsors – Stephen Castillo, Daniel Ong, Masao Koike, Manuel Osmeña, 

Edumond Ynson, Ignacio Lim

Total filipino dentists – 80