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「海外在留邦人・日系人の・生活・ビジネス基盤強化事業」報告 [セブ島通信9月号]

「海外在留邦人・日系人の・生活・ビジネス基盤強化事業」報告 [セブ島通信9月号]

セブ日本人会 会長松田 和人

世界中で先が見えない状態が続く中、ご不安な日々をお過ごしのことかと存じます。

7月号で、外務省が在外諸団体を通じた海外在留邦人・日系人への支援として「海外在留邦人・日系人の生活・ビジネス基盤強化事業」について掲載させていただきました。

今回はこの事業が8月末で無事終了しましたので、事業報告をさせていただきます。

 当会で、このような事業実施は初の試みであり、申請、企画、実施、報告、どれをとっても手探り状態で、多くの方々のご協力をいただきながら、遂行させていただきました。特に、事業開始後に規制強化が行われ、予定した内容での開催が困難となり、変更を余儀なくされた際には、多くの方々のご協力やアドバイスを頂くことで、実現可能な代替案を導く出すことができました。

以下、事業ごとの具体的な報告をさせていただきます。

1ー コロナ関係情報誌の作成 

セブ島における新型コロナウィルスの情報をメインに、掲載内容の選定を行いました。特に病院情報や、ワクチン接種方法、感染対策、医療保険、帰国の方法、ビザ関連情報、最新フライト情報、緊急連絡先や、コロナ関連ニュースのまとめなど、在留邦人がすぐに役立つ情報をわかりやすく掲載することに重きを置くページ構成で制作しました。 長期に渡る外出規制が行われている中で、在留邦人が生活に必要な最新情報が取得しにくくなっていました。この状況を加味し、最新のショップやレストラン、デリバリー、健康や観光の情報なども幅広く掲載することで、在留邦人の生活に安心と活力を見出してもらえるページづくりにしました。 

また、日系企業応援として、セブ島にて現在サービスを提供している日系企業に対して、無料で企業広告を掲載できるように、日系企業に幅広く情報拡散を行いました。 その結果、飲食のみならず観光、美容、生活、求人など計65社の日系企業の広告を掲載することができました。 情報誌配布に関しては日系企業への配布、日本人会主催セミナー参加者への配布、希望登録者への配布など法人と個人向けに行いました。

デジタルマガジンとして、インターネット上でマガジンの内容が閲覧できるように工夫し、セブ市近郊に住んでいない在留邦人に対しても、情報を公平に届けることができました。 雑誌を手にした読者からも、「これほどの情報量を一冊に見やすくまとめてくださり、ありがとうございます!」 「久しぶりに情報誌を読める楽しみができて嬉しい!」など喜びや感謝の声が多数届いており、本プロジェクトが、セブ島に残る在留邦人の多くの方の助けとなり、意義のある企画であったと実感しています。

2- SNS情報配信(毎日配信) 

6月16日より、セブ日本人会および、現地法人メディアセブポットの公式Facebook、また同じくセブポットのLINE公式アカウント、Twitterを用いて、日々の最新情報を毎日配信しました。 配信内容は、毎日報告されるフィリピン、セブ島の新型ウィルス感染者数や、セブ日本人会主催のセミナーの情報拡散、各自治体(国、州、市など)から発行される公文書の翻訳、PCR検査機関の情報、地元の最新ニュース、ビザ関連情報、不動産賃貸情報、求人情報など多岐にわたりました。

特に、配信期間中の8月1日より、セブ島の中心部である、セブ市、マンダウエ市、ラプラプ市の感染者が急増し、再度、感染拡大に伴う強めのロックダウン(規制強化)が行われました。そのため、各市の新たな取り決めや措置の公文書が次々に発行されましたが、迅速に公式文書を翻訳し、SNS上でリアルタイム発信できたことにより、在住者に的確に必要な最新情報を届けることができました。 

3ーホットライン 

実施期間:2021年6月15日から2021年7月15日の1か月間 (27日間) 

実績:1日平均入電件数 2.6件(合計延69 件) 

質問後のメールのやり取り 合計 48通 

Facebookのメッセンジャーへの問い合わせ  

質問内容概要(日本語) ・帰国に必要な書類について ・PCR検査について ・陰性証明書の詳細 ・ワクチン接種について ・期限が切れた在留カードについて ・セブ島外からの帰国方法 ・VISA更新中の一時帰国について ・フィリピン国内で入手できない処方薬について ・リタイヤメントビザ保有者の帰国方法 ・クオータービザ保有者の帰国方法 ・地域移動のS-Passの取得について など 質問内容概要(英語) ・フィリピン人妻の日本入国に必要なビザについて ・家族で日本に一時帰国をする際に必要な書類について 

その場での回答が難しい内容が多く、インターネットでの情報収集、領事事務所等からの情報を収集した後、メールでの回答が中心となりました。当初は高齢者からの問い合わせを想定していましたが、若年層からの問い合わせも多くありました。帰国に際して必要な手続きや書類は、それぞれの保有するVISA、発着地点によって多岐にわたり、個人で確信をもって必要書類を整えることは非常に困難でした。 問い合わせの中には、生死にかかわる困窮法人救済についての相談もあり、このような問い合わせ先の継続の必要性を感じました。

4ーコロナ関係セミナー 

実施期間:2021年8月7日から2021年8月28日

計8回 実績:Zoom参加者合計延163名

Facebook計延ライブ99名

Facebook録画視聴回数計5,251回 

オンラインの開催となり、会場での邦人同士の交流を楽しみにされていた方々より、落胆の声も聞かれました。さらに、インターネット回線の問題で参加を断念された方も多かったです。

その中でも、毎回一定数の参加があり、質疑応答の時間には、それぞれの近況や抱えている問題などを話し合い、在留邦人の交流の場にもなりました。毎回専門的な話を聞くことができ、非常にためになったという参加者からの声も多数聞かれました。

Facebookで配信及び録画視聴ができる形をとったため、ライブだけではなく、動画データでの視聴者数も多かったです。 

5-感染対策物資の配布 

申請時は、セミナー会場での配布を予定しましが、セミナーをオンラインのみの開催に変更したため、参加者には個別配送を行うこととなりました。

また、ピックアップが可能な場所を指定し、可能な方には取りに来ていただきました。日系企業に対しては、会社単位での配布を行い、より多くの在留邦人の手元に、感染対策物資がいきわたるよう工夫をしました。

突然のMECQ規制で、多くの在留邦人が不自由な生活を強いられている中、生活に必要なマスクとフェイスシールドを配布したことは、非常に喜ばれました。

以上が事業に対する報告となります。今回の事業通じて、皆様の抱える問題や当会に求められるサービスを知ることができました。当事業は終了しましたが、引き続き会員の皆様の安全かつ快適なセブ島生活のために、当会の役割を果たしてまいります。

最後にお知らせになりますが、マニラ日本人会・商工会議所では、「PCR検査」を無料で受けることができる事業行っており、セブも対象となっております。この号の中に詳細を掲載していますのでご必要な方はご利用ください。

まだまだ厳しい状況が続いておりますが、ご自愛のほど心よりお祈りしております。