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あの感動をもう一度 [セブ島通信3月号]

あの感動をもう一度 [セブ島通信3月号]

セブ島盆踊り実行委員会

内山順子 

 魂を揺さぶる音色、会場の一体感、今まで味わったことのない感動がそこにはありました。

 2017年セブ日本人会主催盆踊り大会。2014年からスタートし、4回目となったこの年の盆踊り大会は、3万人の来場者を記録し、名実ともにフィリピン最大の日比交流イベントとなりました。そのフィナーレを飾ったのが、世界的に有名な和太鼓チームGOCOOの演奏でした。

 盆踊り大会は、「日本人もフィリピン人も一緒に楽しみながら、お互いの文化を理解し合えるお祭りをしたい!」という思いから、セブに住む日本人の有志で始めたイベントです。毎年会を重ねるごとに規模が拡大し、フィリピンに Bon Odori という言葉が定着するほどの盛り上がりを見せていました。

そしてこの年、ただ聞くだけではなく、踊りが大好きなフィリピン人が、一緒に踊れる和太鼓チームを呼びたい!さらに、会場に入ることのできない貧困層の子どもたちにも、和太鼓に触れる機会を提供したい!という機運が盛り上がり、GOCOOの名が浮上しました。

GOCOOは、マトリックスのサウンドトラックに参加をしたり、Newsweek誌の『世界が尊敬する日本人100』に選出されたりと、世界で活躍されているチームです。正直言って、毎年運営費だけでギリギリのセブ盆踊り大会が招へいできるようなチームではありません。しかし、私たちの想いを伝えると、なんと!参加を快諾してくださったのです!

12人の演者、スタッフさん、さらに1トン近い和太鼓やその他の楽器を日本から運ぶには、大変な苦労がありました。費用面ではクラウドファンディングで多くの方々からご支援頂き、さらに助成金もいただきました。楽器の輸入や運搬、会場セッティングなど、本業の傍らで素人集団ができる作業では到底ありませんでしたが、本当にたくさんの方々のご支援ご協力を頂き、何とか無事に当日を迎えることができました。

短い滞在の間に、貧困地区での演奏や、貧困層の子どもたちに対するワークショップ、さらにショッピングセンターでの演奏会など、ハードなスケジュールをこなしていただき、そして盆踊り本番となりました。冒頭にも述べたように、会場に集まった人々にとっても運営側にとっても、忘れがたい最高のひと時となりました。

2018年は会場の関係上、規模を縮小し開催し、2019年は「SAKURA祭り」と趣向を変えて開催しました。そして2020年オリンピックイヤーにこれまでの集大成となる盆踊り大会を開催し、GOCOOを再招へいしようと、準備を進めていました。GOCOOには早々にご快諾を頂き、あとは費用面の問題です。前回同様クラウドファンディングに挑戦し、多くの方々にご支援頂くことができました。本番に向けて細かな準備を進めていくぞ!という段階で、新型コロナウイルス感染症が世界を襲いました。

大規模な集会が禁止され、学校が休校となり、外出が規制され、まったく先の見えない状況になってしまいました。このときは、それでも5月ごろには元通りになるだろうと甘く考えていた部分もありました。しかし、日々状況は悪化し、日本とセブの直行便は次々とキャンセルされていきました。2020年の開催は絶望的となり、延期を余儀なくされてしまいました。それでも、2021年には「アフターコロナ」で盛大に盆踊り大会が開催できると信じていました。

しかし、皆さんもご存知の通り、現在もなお外出は制限され、大規模な集会は禁止され、直行便は月に1、2便という状況が続いています。このような状況で、クラウドファンディングを通じて皆様から託された思いを、どう形にすべきか、とても悩みました。

GOCOO、日本人会理事と話し合いを重ね、今できる方法としてオンラインで開催すべきか、ご協力いただいた方々にご返金すべきか、様々な意見が出されました。しかし、やはりGOCOOの演奏は生で聞いて、身体で感じるべきものです。そして、セブの人々はGOCOOの演奏をもう一度聞きたいと願っています。

そして、最終判断として盆踊り大会が開催できる時まで、大切に保管させていただくことに決定しました。それが来年になるのか、再来年になってしまうのか今は分かりません。次回の盆踊り大会で、GOCOOの演奏を聴きながら、みんなが楽しく笑いあえた時、それは人類がコロナウイルスに打ち勝った記念の日となるはずです。