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日本への臨時便対応、ご報告と今後について [セブ島通信5月号]

日本への臨時便対応、ご報告と今後について [セブ島通信5月号]

会員の皆さま、外出制限が続く中、いかがお過ごしでしょうか? この2020年という年が現在のようなものになるとは誰もが予想だにしない世界だったと思います。正にこの原稿を書いている間にも、コミュニティ隔離措置を5月15日まで延長することが正式に発表されました。

皆さまがセブ島通信を読んでおられる頃には、また状況が変わっているのかもしれません。FacebookをはじめとしたSNSが進んでいないひと昔前は、ここまで情報によって一喜一憂することもなかったのだと思います。またフィリピンに住みながらにして自国の情報がタイムリーに入り、方略の動向を随時話題にすることもなかったでしょう。

ここ一週間のセブ市における一つのエリアや刑務所での感染大量発生がなければ4月末の隔離措置がどうなっていたか?なぜマンダウエやラプラプでは感染者が増えずにすんでいるのか?検査数によって感染者を制御しているのか?規制解除後の街の暮らしは?そして秩序は?などなど、止め処ないことを日々考え、いつも以上に情報を探してしまいますが"感染の脅威"というものが、そこから派生する多くの物事を考えさせていることは間違いないのではないでしょうか。 

今回は、隔離措置が始まる頃から対応させていただいた日本への臨時便のことについてのご報告とそれを通して感じたことを書かせていただきます。巷では、セブ日本人会が実行したことのように言われている様ですが、確かに日本人会としてできる限りの範囲で動いたつもりですが、今回の8便にわたる臨時便は多くの有志の方々の発案と協力なしでは成し得ることはできないものでした。

自身のこと、家族、会社がありながら利他の精神で関わっていただいた方々に深く敬意を表します。また、セブ領事事務所、フィリピンの各行政機関にもご尽力いただいたきセブ州以外の日本人も中継を経て帰国ができました。

 最初は、英会話学校が休校になり留学生は留まらずに早く日本に帰ってもらった方が良いということからのスタートでした。途中からは一般の、旅行者、長短期の滞在者、外国籍の方など希望者も多岐にわたりました。当初、チャーター便を飛ばすということでフィリピン航空と交渉に入ったのですが、所定の手続きでは時間がかかり過ぎることから臨時便という形になりました。片道のみの運航となるため運賃も10万円以上という高額なものでしたが、約200名という定員を限りなく満員にする必要がありました。各便への希望者のリスト化、個々への度重なる連絡、発券時間の調整、最終の便に至った頃には公共の交通機関がストップしているため、発券や空港へ行く車の手配までを行ないました。エントリー後の断りなきキャンセル、当日連絡が付かないなどのトラブルもありましたが、ほぼ全便を満席に近い形で送り出すことができました。多くの希望者の帰国がかなったことは大変良かったと思います。そのほかにも、発券手続きをサポートする際にたくさんの方々からの差し入れをいただいた事もとても大きな支えになりました。この場を借りて感謝申し上げます。 

しかしながら、今なお帰国を希望し待ちわびる方がいらっしゃるのも現実です。航空会社の方も、行政の方針に沿ってチケット発券を決めても方針変更などによってキャンセルとなり、それに翻弄されている日本人の方も多いようです。今回のようなケースでは、どんな選択をしたら良いのか誰も判りません。最終的には自分で決めるしかないこともこの臨時便を通して痛感しました。

 今回の件に関わる中、人の考えやリスクに対する捉え方の違いなども改めて感じる気付きも得て貴重でしたし、同様にセブ日本人会の大きな役割を再認識する機会となりました。有事の時に日本人会として舵を取り、まずは日本人会の会員の皆様を最優先に、そしてセブに住む日本人のために起動することが大きな役割だと確信を持ちました。そのために日本人会として今回の顛末を記録し、今後のために残すようにいたします。また常日頃からいろいろな団体とも連携して情報収集を図り、協力しあうことができる関係づくりも努めてゆく所存であります。

 不自由な生活がまだしばらく続くと思いますが、それぞれが感染しないための最大限の努力をし、ご自愛なさってください。また何かお困りの事がございましたら、日本人会の方にもご相談ください。