社会人部門1位Home (Reyhan Orocio) [セブ島通信3月号]

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古里  

「Home」は日本語で「実家」、または、「古里」です。

この10年、毎年、クリスマスは必ず、実家に帰ります。

12ヶ月一生懸命 働いて、里帰りは体と心の リフレッシュになります。

私は、ネグロスの「シライ」という町で生まれました。

シライは、「ネグロスのパリ」と言われています。

実家は、シライの中にある「パタッグ」という山村で、第二次世界大戦の日本軍の砦でした。

戦争はとっくに終わりましたが、パタッグは今も、村人が毎日を生き抜く、「戦場」のままです。

里帰りは毎回、楽しみです。

新鮮な空気、緑の海は本当に贅沢です。

こどもの時、友達と小山や木を登ったり、川で泳いだり、青空を眺めたりしました。

ジェット機を見て、「どうやって飛べるんだろう?」

船を見て、「地平線の向こう、何があるんだろう?」、と思いました。

そのとき、村の外の世界に、好奇心を持ち始めました。 

里帰りのとき、作り立ての砂糖の甘い香りも、「お帰り!」に聞こえます。

しかし、その香りが甘いほど、村人の暮らしは 苦い物です。 

小学校のときから、私はサトウキビ畑で 働いていました。 

暑い夏の日は、土を耕したり、雑草を取り除いたりしました。 

寒い雨の日は、刺や泥だらけの畑を渡って、サトウキビを運びました。

そのとき、いつか、より良い人生を夢見ていました。

何があっても、この夢を叶えるんだ、と自分に誓いました。

そして今、私はここで、みなさんの前に立っています。

毎日の仕事で、色々な問題があります。

生産 遅れ、品質問題、同僚との喧嘩、

毎日 同じことの繰り返し、などなどです。

困難ばかりで、仕事に対する熱心さが無くなるときもあります。

そのとき、私は古里を思い出し、私の夢の始まりを思い出します。 

明るい未来を掴むための力、今も古里からいただいています。 

毎年の里帰りが今回できなくても、心配はありません。

なぜなら、古里は、いつでも私の心の中に ありますから。

古里は、私の恩人です。

古里よりすばらしいところは、決してありません。

ご清聴、ありがとうございました。

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